<ベルネザール>心に響く音楽を~コンサートinミュージアム

 1月17日、閑静な住宅街に佇む純木造の音楽サロンホール、わたなべ音楽堂<ベルネザール>(中央本町4)で、「コンサートinミュージアム」が開催された。

 「コンサートinミュージアム」は、創設者の思いや地域への愛着が詰まった私設の美術館やサロンホールなど区内4つの施設と、足立区生涯学習振興公社の連携事業として昨年から始まったもの。鑑賞は事前申込み制で、応募多数の場合は抽選を行っている。

 今回は定員50人のところ180通もの応募があり、当選者のほとんどが会場となった<ベルネザール>を初体験だという。<ベルネザール>のホールは、広さ51平方メートル、木造を活かしたむき出しの梁が特徴の、まるで開いた傘のような丸い天井で、一番高い天井高は5.5メートルになる。これは音にこだわったオーナーの渡邉啓乎さんが各地のサロンを回り、音の響きが良かったところと同じにしたそうだ。今秋10周年を迎える今では、サロンの音響の良さが広まり、プロの演奏者や技術者のレコーディングや撮影にも使われている。また、梁や壁などふんだんに使われている松材からは10年を経てなお木の香りが漂い、心もほぐれる心地いい空間だ。

 渡邉さんは最初に、「本格的な録音にも使ってもらえるサロンの音響の良さは宝。近隣の小学校の児童らに、家庭や学校では体験できないこの音を在学中に体験してもらいたい。一生心に残るものになるから」と話した。この日は、『弦楽四重奏の愉しみ』として、ヴァイオリンの江口自音子さん、江口章一さん、ヴィオラの村井由紀さん、チェロの村井将さんが出演し、バッハやモーツァルト、ドヴォルザークの弦楽四重奏曲を披露。演奏が始まると、それぞれの楽器から紡ぎだされる一つ一つの音が心に響く。溶けあった音色がホールに広がって観客を包みこみ、目を閉じて聴き入るなど、思い思いに楽しむ姿が見られた。

(写真上)ホールは天井が高く心地いい空間
(写真中)今回の出演者たち
(写真下)休憩時間には外で飲み物もふるまわれた

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